「ラブホテルの管理を任せたい」「ラブホテルを賃貸・売買したい」という理由は所有者によって違うが、所有者=運営の場合「儲からない」か「後継者がいない」のどちらかが理由であることが多い。

儲からないホテルの多くは客室料金を下げている。

ご存知の通り、価格設定や料金システムは商売の肝である。

我々が運営する際には、周辺をリサーチし、練りに練って価格を決める。

今回は、価格について考えてみたい。

 

価格が高くても需要はある

まず、注意しないといけないのは、客数は価格によって左右される、という思い込みである。

例えば、スーパーの経営者が、「隣の店の2倍の値段でトマトを売るわけにはいかない」と。

でも、その考えは間違いだ。

例えば、スーパー内に有機野菜のコーナーを作り、そこにあるトマトは良質な土と水で栽培され、農薬もかかっていない、健康的で栄養価が高く美味いとなれば、買う人はいる。

つまり、そういう需要があるということで、自分はそうでなくても、世の中にはそういう価値を持ったお客様が存在するのだ。

 

水を買う客がいる

僕が高校生の時、サントリーの烏龍茶が流行った。

小さい缶で100円だ。

当時の僕は、バカバカしくて買わなかった。

お茶や烏龍茶は自宅で簡単に作れるからだ。

その後、ハウス「南アルプスの天然水」が流行ったが、もちろん買わなかった。

 

それから20年後。

弊社にも、弊社が運営するホテルにも、ウォーターサーバーがある。

気がついたら、いつのまにか水を買うことに抵抗がなくなっていた。

今、ドン・キホーテに行けば、1.5~2リットルで80円の水から、

800円の水まである。

富士山の水、ハワイの水、海洋深層水など種類はあるが、飲んでみてそれほどの違いはない。

のどが渇けば、どれでも美味い。

商品がなんであれ、高価格の需要はあるのだ。

 

ホテルでは

それなのに多くの経営者は、一般的な価格を考えてしまう。

もちろん現実的には、お客様が購入してくれる価格はある。

ホテルの場合、休憩なら5000円、宿泊なら10000円というところだろうか。

僕は、価格にはとらわれず、考えるようにしている。

金もダイヤモンドも、元はタダである。

土地だってそうだ。

だれかが、何らかの値段をつけ、相場ができている。

ダイヤモンドという岩に誰も興味を示さなければ、ただの石だったのだ。

 

食事にしても、1食300円の牛丼も、30000円のディナーもある。

でも、同じ晩飯なのだ。

ホテルだって、3000円のホテルも、30万円のホテルもあっていい。

投資金額と近隣需要を踏まえ、メリットの高い料金設定が大切なのだ。