米国で「億万長者メーカー」といわれるビジネスコンサルタント、ダン・ケネディによれば、「起業家は自分たちがやっていることを、実際の価値よりも安く販売してしまう傾向にある」という。

僕も多くのラブホテルを見てきて、それは実感している。

僕たちは、ホテルの料金設定をする時、「お客様はいくら払ってくれるのか」「いくら儲けるか」と踏まえるが、たいていオーナーが想像するよりも高い金額設定となる。

そうしておけば、仮に金額設定が間違っていた場合値下げすることができるが、最初に安く設定してしまうと値上げするのは難しい。

「値段をあげたら、お客が減るのではないか」

という恐怖心があるからだ。

 

ホテルの場合、料金設定を上げる場合、タイミングと多少の工夫は当然必要だ。

なにも変わらないのに、料金だけが上がるのはお客の理解を得られない。

例えば、うちのホテルの場合、消費税が上がるタイミングで外税にした。

客室料金が5000円(税込)では、4629円+371円(税)だったのを、

5000円(税別)、税込みだと5400である。

消費税は5%→8%の変更なので、同じ料金なら150円の値上げが理屈だが、

これによって5%250円の値上げをしたわけだ。

その後の客数に変化はないので、5%の利益増となった。

 

そういうタイミングでない場合は、一時的にでもいいからサービスをつける。

ウェルカムでケーキを提供するとか。

あと考えられるのがクーポン。

その場合は、次回利用時に使える金券などがいい。

いずれにしても、値引き地獄から抜け出すことが大切なのである。