ネットを眺めていたら、気になる記事を見つけた。

一昔前のホテルを外国人向けにゲストハウスにしているという記事だ。

以下、朝日新聞デジタルの記事を転載する。

ホテル記事

「日本のラブホテルに泊まってみたい」。そんな好奇心旺盛な外国人観光客に応えてくれる宿泊施設が、東京・浅草にある。「カオサンワールド浅草 旅館&ホステル」だ。1982年ごろから浅草一大きいラブホテルとして営業していた建物を改装し、2013年にオープン。その際に「外国人にはおもしろいだろう」と、日本独自の文化であるラブホテルの名残をあえてとどめた。

ガラスや鏡が妙に多い部屋、玉砂利を敷き詰めた溝に灯籠(とうろう)があり、そこに橋までかかっている和室、金の手すりが付いたらせん階段でつながれたメゾネットタイプの部屋。さらにはメゾネットの2階部分に透明の浴槽があり、現役時代は下からのぞけるようになっていた部屋もある(ちなみに現在では浴槽はテーブルとして使われているのでご安心を)。ロビーにはゴージャスなシャンデリアや、各部屋の内装が一目で分かるルームパネルも。この独特の雰囲気が受けているのか、宿泊客の9割は外国人だ。ただ人気の理由はここがいわゆるホテルではなく、ゲストハウスという点にもあるとアシスタントマネジャーの山本渓奈さんは説明する。

ゲストハウスとは、低予算で旅を楽しむバックパッカーのためにベッドだけを安く提供するスタイルの宿泊施設だ。山本さんいわく「全部自分でやってもらう」のが基本で、布団を敷いたり食事の提供をしたりするサービスはない。その代わり、相部屋であるドミトリー部屋は1泊2200円からと安く、またキッチンを備えた広い共用スペースがあるので、買ってきた食材を使って自由に調理することができる。

全国に13カ所あるカオサンゲストハウスは、この宿泊スタイルを日本に広めたいという思いから2004年に1号店をオープンさせた。「カオサン」とは、ゲストハウスがひしめき「バックパッカーの聖地」と呼ばれるタイのカオサンロードから名づけられたもの。スタッフにはバックパッカー経験者が多く、旅行者のリクエストにきめ細かく応えてくれる。「よく聞かれるのは、あなたが個人的に好きな場所を教えて、ということ。ガイドブックに載っている情報は誰でも手に入れることができるので、そのほかの場所を、と言われれば谷中や吉祥寺などを薦めることもあります。そういう意味で彼らは『リアルなジャパン』を求めて来ているのかもしれませんね」

キッチンを使って豆腐づくりの講習やたこやきパーティーを開いたり、バーでジャズライブをしたりしてスタッフと宿泊客、もしくは客同士が交流する機会をつくるのもゲストハウスならでは。「ここはゲストハウスとしては規模が大きくて東京らしく、いろんな人と出会えました。バーはとってもよかったです」と話すのはジブリ作品に影響されて日本を好きになったというフランス人のカップルだ。かつてラブホテルとしてなるべく顔を合わせないようにしていた場所が、今は世界中の旅行者が交流する場に。一見同じように見えても、こんな生まれ変わりはそうそう、ない。