日銀、黒田総裁の金融緩和により、金融機関によってはラブホテルに融資がも出やすくなっている。

とはいえ、通常の案件のように1%前後なんて数字では借りられることはなく、

よくても2%台で一般的には3%台の金利がかかる。

融資の期間は、10年から15年というのが一般的だ。

仮に1億円の融資を金利3.5%、返済期間12年の条件で受けた場合、

返済に金利を加えた毎月の支払は、元金70万円、利息15万円で合計85万円ほどになる。

物件単体で考えた場合、利息は損金にできるが、元金は利益から税金をひいた残金で

返済することになる。

わかりやすく法人税、地方税の合計の税率を30%とすると

100万円の利益で70万円の返済ができる計算だ。

それに利息の15万円を加えた115万円以上の利益を出すことができれば

そのホテルはキャッシュフローの上では、返済をしながらトントンで運営していることになる。

つまり、物件購入時に売上から経費を差し引いた営業利益が115万円ある物件ならば、

その物件単体で返済しながら、12年後に晴れて抵当権が外れた綺麗な自社物件になる。

 

しかしそれは、現実には難しい。

ラブホテルの売却物件の多くは、それだけの利益が出ていないし、

仮に売買時点では利益が出ていても、12年の間改装などの投資をしないで

利益を維持することはできないからだ。

そう考えると、物件購入代金の全額を融資で賄い、余裕資金が少ない場合、

後々地獄を見ることになる。

では、物件代金の何パーセントの自己資金を入れればよいのか。

もちろん、そのホテルの建物の状態、自動精算機の有無、メンテナンス経費の有無、

売上、営業利益、売買代金など様々な条件によって変わってくる。

例えば、売上400万円、営業利益120万円、売却代金(諸経費込)1億円という

物件があったとする。

この物件を改装などの利用をかけないことを前提に考えるならば、

ざっくりとだが、最低3000万円の自己資金を入れないと苦しくなる。

自己資金で3000万円を入れれば、7000万円の借り入れとなり、

前述の計算で毎月の支払は金利を含めて、60万円弱となるから、

購入からしばらくは内部留保を貯めることが可能だ。

3年から5年後に内部留保で効果的な改装や集客、イベントを行えば

売上を伸ばすことができるだろう。

物件購入が、改装を前提とする場合は、別の機会に述べる。