弊社では、年間に100軒近くのラブホテルの売り物件を見に行きます。

その中には、長期間売却できず、売却希望額を下げるケースが多く見受けられます。

そんな時、思うのです。

「最初からその価格で売っていればよかったのに」と。

ラブホテルのオーナーは誰でも、いつかは「ホテルを売ろうかな」と思う時が来ます。

そして、その気持がだんだん強くなります。

そこが売り時なのです。

ホテルの売却を考えだすと、オーナーの気持ちが離れていきます。

そうなると、前向きな投資や、前向きなエネルギーがなくなります。

それが行動に現れるのです。

・イベントに気合が入らない、イベントにお金をかけない、イベントをやらない

・壊れた設備をしばらく直さない

・設備が壊れた部屋を売り止めにする

という行動になりがちです。

そしてそれは、スタッフにも影響します。

「よかれと思ってオーナーに提案しても、なにもしれくれない」

となり、やる気のあるスタッフが辞めたり、意欲を失うのです。

それが伝染し、共用部の清掃が疎かになったり、壊れた設備が放置されます。

当然、お客さまが少しずつ離れていきます。

さらに一旦、売却希望額を決めて情報を出すと、その悪い流れが加速し、日にちが経つごとに売上が下がり、ホテルの価値も下がります。

そして、売却希望額も下げざるをえなくなるのです。

その価格は、最初の売り出し時に買い手からオファーされた指値より低かったりもします。

こういうケースはよくあるのです。

ラブホテルはかつて、何もしなくても儲かった時期があり、その時はかなり高額でした。

オーナー様は、

・自分はいくらで買った

・かつては月額◯◯◯万円儲かった

・改装すれば◯◯◯万円の売上になるはずだ

などと、考えがちです。

しかし、買い手は現実をみて買うのです。

今の売上がいくらなのか。

改装にいくらかければ、どの程度の売上が見込め、利回りは何%なのか。

売り手のオーナー様には、そのあたりを客観的にお考えいただき、

現実的なセンで折り合いをつけていただくとよいと思います。

ホテルは、売ろう、と思った時が売り時であり、高値なのです。